妊活とミネラル

免疫 食事について

こんにちは、理事の山本です。
ここ数日、グッと冷え込んできました。
夏場の暑さで自律神経が弱っているところに
この季節の寒暖差は体にこたえる方も多いかと思います。

ビタミンやミネラルは体の潤滑油のように働き
気候の変化に順応していく体への大きなサポートとなります。
こんな季節だからこそ、市販のお菓子類は控えて
ホクホク焼き芋、木の実、フルーツをおやつにしませんか?

さて、必須ミネラルは16種類と以前書きましたが、
前回までの7種類は1日100mg以上必要でした
7種全て100mgを摂ることでしっかりと働いてくれると言うことです。

今回からのミネラルは1日100mg以下ですが、意識しないと全く足らない!
という事態になる栄養素もあります。



鉄編

鉄分はからだの中に約3gあるといわれています。そのうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬という重要な役割を果たしています。

 食品中に含まれる鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄とに分けられます。
たんぱく質と結合しているヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に多く含まれています。
ヘム鉄以外の無機鉄を非ヘム鉄と言い、こちらは植物性食品に多く含まれています。
食品中に含まれる鉄分のうち、ヘム鉄は還元型であるため、たんぱく質が結合したそのままの形で十二指腸から空腸上部で吸収されます。

非ヘム鉄はそのままの形では吸収されず、還元された後、吸収されます。
(非ヘム鉄は吸収されにくいと言うことです)

吸収された鉄分は、酸化され、アポトランスフェリンというたんぱく質と結合してトランスフェリンとなり、血液に乗って体中に運ばれます。鉄が酸化しているから血液は赤いのですね。

輸送された鉄分は、ヘモグロビンとなって酸素の輸送に関与するほか、筋肉中に酸素を蓄えるミオグロビンの構成成分になります。

他に、肝臓や脾臓、骨髄などにフェリチンやヘモシデリンとして20~30%貯蔵されています。赤血球の鉄分が足りなくなるとこの貯蔵鉄が使われます。

ヘモグロビン値が大丈夫な数値だとしても、妊活をされていらっしゃる方は特に血液検査でフェリチン値に注目してください。80~100の数値は必要となります。


鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になります。
貧血になるとからだが重い、息がきれる、顔色が悪い、疲れやすいと感じるようになります。
貧血予防のためには、鉄分だけを補えばいいというわけではありません。
ヘモグロビンは鉄(ヘム)とたんぱく質(グロビン)が結合してできています。そのためたんぱく質も摂取する必要があります。
また、赤血球の合成に必要な、ビタミンB12葉酸も十分に摂取しましょう。

通常の食事では過剰になることはありません。ただ食べ方を考えないと欠乏しやすいミネラルです。
サプリメントなどによる過剰摂取も問題です。長期にわたり過剰に摂取しつづけると鉄沈着症を発症する恐れがあります。
また、非ヘム鉄サプリメント摂取で便秘、胃部不快感など副作用を訴える人がいることも報告されています。
そして過剰に摂取することは細胞を酸化させてしまいますので、妊活や治療でサプリを飲まれている方は血液検査をしっかり行いコントロールしていきましょう。

鉄分は、肉類、魚介類、藻類、野菜類、豆類に多く含まれています。

単独で鉄分補給と考えるのではなく、たんぱく質・果物・ビタミンCと一緒に、にぎやかな食卓にしましょう。

コーヒーや緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害します。カフェインの問題もありますのでコーヒーなどは控えましょう。
今の季節・・柿にもタンニンが多く含まれていますので妊活中は柿も控えめにしてくださいね。


妊活にとってなぜ鉄分が必要なのでしょうか?

鉄は赤血球をつくったり、体内へ酸素を運んだりといった重要な働きをするほか、子宮の粘膜をつくる材料にもなるので、鉄が不足すると受精卵は着床しにくくなります
子宮が赤ちゃん(受精卵)を迎えるベッドだとしたら、鉄は居心地のいいふかふかのベッドをつくるのに欠かせない栄養素です。

 女性は毎月の月経で鉄が失われるため、妊娠可能な年齢の女性のほとんどが鉄欠乏に陥っていると言えます。





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